防災対策室

救急総合診療科、防災対策室長 坪井 謙


 当センターは2019年4月から院長直轄の防災対策室を作り、院内の防災対策やDMAT、JMATの活動、災害拠点病院としての地域連携活動などに力を入れています。

 DMAT(JMATも兼任)は現在、医師3名、看護師5名、業務調整員2名(事務1名、リハビリテーション科1名)10名で活動しています。年に1回病院で災害訓練(DisasterABC)、年2回の防災訓練、年1回の非常電源設備点検を行い、定期的に行われるDMAT機能維持訓練に加え、DMATも属している埼玉県特別機動援助隊(SMART)の定期的な研修にも参加しています。

 2018年7月の西日本豪雨に対して災害医療コーディネーターとして広島県三原市に入り、市の保健医療調整本部の一員として活動し、同年9月の胆振東部地震では当センターDMATが苫小牧保健所に入り、保健医療調整本部の一員として活動しました。2019年9月の令和元年房総半島台風では当センターDMATとして初めて埼玉県の要請で災害支援に行きました。君津中央病院を中心とした近隣の病院の被災状況の情報収集と安房地域医療センターでの病院支援、近隣の避難所の情報収集を行いました。2019年10月12日の令和元年東日本台風では、当センターに初めて防災対策室(第3会議室)に災害対策本部を設営しました。夜間には当センター地域に避難指示がでて、院内患者の広域搬送準備、病院2階への職員・物資の避難、近隣に住む職員寮の当センターへの避難などを行いました。

 災害拠点病院として医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、近隣の医療機関、保健所、消防、区役所といった地域の災害に関わる組織に参加してもらい、「地域で考える災害への対応連絡会」を定期的に年2~3回開催しています。災害時に顔の見える関係を気づくことが大事であり、この会議を通じて災害時の各組織間の連携を深めています。また日本災害医学会の地域保健・福祉の災害対応標準化トレーニングコース(BHELPコース)を開催し、発災直後から避難所での活動を効率的・効果的に実践できるように地域の災害対応のレベルアップを図っています。

 今後は荒川、鴨川による水害を想定とした災害対策マニュアルの作成とその訓練、水害時に使用できる自家発電装置設置の検討(さいたま市への要請)など水害対策を中心に準備を進めていきたいと思います。