病理診断科

病理診断科の業務について

業務内容

 病理診断をし、診断内容を病理組織診断報告書に記載して内科や外科などの臨床部門に報告します。
通常は、癌などの悪性があるかどうかを検索しています。(一般的に病理組織診断を略して、病理診断といっています)

病理診断とは

 患者さんから採取された臓器の一部を顕微鏡標本にして、顕微鏡診断をします。これが病理診断になります。

診療業務上の立場

 診断部門ですが、病理診断は最終診断とみなされ、最終診断をした責任を負わされています。

病理診断に至るまでの手順

 患者さんからの採取された臓器を顕微鏡標本にし、これを顕微鏡で見て、病気の診断をします。顕微鏡によって診断された病名を病理診断として、病理診断報告書を作成します。これを内科や外科などの臨床部門に報告します。

病理診断報告書ができあがるまでの手順

 患者さんから採取された臓器を検体といいますが、検体には大きくわけて
①生検
②手術検体
の2つがあります。(①②以外に細胞のみを採取して癌などの悪性がないかどうかを検索する業務があり、これを細胞診業務と呼んでいますが、今回は割愛します)

 病理診断報告書の作成は①と②とではかかる時間と労力に差があります。

①生検
 通常は粟粒大~米粒大の大きさで、この大きさのまま顕微鏡標本にします。これを顕微鏡で見て、顕微鏡診断をし、診断名を病理報告書に記載します。
 免疫染色などが必要でない場合は、それほど時間や日数はかかりませんが、免疫染色などの特殊な検査が必要なときには10日程度かかります。

②手術検体
 通常は癌がある臓器を手術で切除してくるため、検体は生検よりも大きなものになります。これを切り出しと称される作業で、癌の部分を3×2㎝程度の大きさに切って顕微鏡標本にします。標本の数が1例につき30枚ほどになる場合があり、標本ができあがるまで3~4日かかります。できあがった顕微鏡標本の癌の部分を多岐にわたってチェックします。チェック項目としては、癌のタイプ(組織型)、癌の広がり、血管侵襲の有無、切除断端が陰性かどうか、リンパ節に転移があるかどうかなどがあります。
 これらをひとつひとつチェックしますので、時間がかかります。臓器によっては、1人分の病理診断報告書を作成するのに3時間以上かかるときがあり、膵臓癌や乳癌の手術検体はかなり時間を要します。

2022年度(2022年4月1日~2023年3月31日)の活動実数

1.検体の総数
 a.当センターの病理検体数 2,505件
 b.開業医から依頼された病理検体数 1,106件
  合計:a+b=3,611件

2.術中迅速診断  年間:78件

3.細胞診業務
 a.当センター細胞診検体数 1,178件
 b.開業医から依頼された細胞診検体数 3,400件
  合計:a+b=4,578件

4.解剖数  年間:3年

5.年間CPC回数  2回
  2023年 1月31日(火) 「右肺胸膜悪性中皮腫(肉腫型)の症例」
  2023年 3月 7月(火)  「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の症例」

医師

内間 久隆

病理診断科副部長
日本病理学会病理専門医