院長ご挨拶

さいたま市民医療センター(当センター)は平成21年3月に開院し本年(令和4年)で開設14年目に入っています。この間、市民の皆様から親しまれ、信頼していただける病院となれるよう全職員が一丸となって努力し、年々医療体制も充実してまいりました。ここまで成長できたのは病院職員の昼夜をおかない努力とさいたま市4医師会会員をはじめ、多くの方々のご支援、そして市民の皆様のご理解とご支援の賜物と深く感謝しています。
さて、当センターは地域医療支援型病院です。市民の皆様には急病以外で初めて診察を希望される時はかかりつけの診療所あるいは病院の先生からの紹介状をお持ちいただくことになっています。そして、当センターでの治療終了後はかかりつけの紹介医の先生に再びお願いすることになります。こうすることで、入院や手術など当センターでの診断や治療が本当に必要な患者さんへの対応に専念できるようになります。紹介状(診療情報提供書)は、患者さんのこれまでの病気の経過と現在の問題点、内服薬の内容など診療上大変役に立つ重要な情報です。当センターを受診される方は是非かかりつけの先生から紹介状をいただき、予約センターへ電話でご予約ください。
さらに当センターにはいくつかの特徴があります。
1.救急医療
当センターの使命の一つとして救急医療があります。年間の救急車の受け入れは5,000件を超えています。救急の受け入れ体制の充実と納得できる医療の提供のために職員一同日々努力しています。さらに地域の医療機関,介護保健施設,在宅医療チームとの連携も深め、さいたま市の中で一般急性期病院としての役割を果たしていきたいと考えています。
2.小児救急医療
当センターの救急医療のもう一つの特徴に、小児二次救急があります。さいたま市の小児搬送の2分の1近くを担っており、コロナ禍で救急車の搬送件数は一時減少しましたが令和4年に入りコロナ前に比べむしろ大幅に増加しています。また最近注目されている食物アレルギーの経口免疫療法では埼玉県全域から患者さんをご紹介いただいています。3. 総合医と専門医が力を合わせて行う医療
各内科系の医師は高い専門性を有していますが、一方でどの専門であるかにかかわらず、すべての医師が総合医としてのマインドをもって診療にあたっています。その結果、地域の患者さんには高度な専門的医療と総合的医療の両面で満足度の高い調和のある診療を提供しています。このような方針に沿った若手医師の教育にも力を入れており初期研修医および専攻医(卒後3年目以降の若手医師)を受け入れています。市民の皆様にもこの点をご理解いただき、医師養成のための教育病院としての診療体制にご協力をお願いします。4. オールラウンドの外科系診療体制
外科はオールラウンドの手術を行っており胆嚢,大腸,胃、肝胆膵、食道,ヘルニア,虫垂炎の開腹手術、乳腺の手術のみならず、腹腔鏡手術を得意として積極的に行っています。整形外科は股関節,膝関節の人工関節手術を中心に、外傷,救急にも臨機応変に対応し、レベルの高い治療を提供しています。脳神経外科は内科の救急総合医チームと連携しての脳梗塞急性期の血管内治療や開頭手術、小児の頭部外傷にも積極的に対応しています。また、泌尿器科、耳鼻咽喉科は自治医科大学附属さいたま医療センターと連携し地域のニーズに沿った医療を提供しています。皮膚科外来では皮膚疾患に関して地域の医療機関と協力して親密な医療連携を目指して発展していきたいと思っています。5. リハビリテーション治療の充実
地域の超高齢化が進行する現在、リハビリテーションの果たす役割はますます大きくなってきています。病気が治っても、特に高齢の患者さんでは一定期間の入院によって筋力・体力が低下し、いきなり自宅に退院しても通常の生活ができなくなってしまうことがしばしばあり、それを防ぐためにはリハビリテーションが極めて有効な手段となります。センターでは回復期リハビリテーション病棟を設置し退院後の急性期の患者さんも早めに受け入れています。その結果急性期リハビリ・回復期リハビリと継続的に行える体制ができています。6.当センターは「がん診療指定病院」並びに「災害拠点病院」です
当センターはがん患者の皆様の生活支援や就労支援をモットーに、がんに関する緩和ケア、セカンドオピニオン、その他の相談を受け付けていますので、気軽にご相談ください。また、災害拠点病院として、近隣地区の行政、医療機関、医師会、薬剤師会、歯科医師会等の皆様と協力して、災害に強い地域づくりを目指して活動しています。
このような特徴を活かし私達さいたま市民医療センターは引き続き皆さまの健康と生命をまもる医療機関として地域に貢献すべく精一杯頑張ってゆく所存です。
今年度も引き続きご支援とご鞭撻をお願い致します。
令和4年12月
病院長 百村 伸一