皮膚科 宮田聡子医師が第38回日本臨床皮膚科医会ポスター発表で優秀演題賞受賞しました

 さいたま市民医療センター皮膚科では、毎週木曜日にフットケア外来を行っています。最近では、糖尿病足病変の患者も増え、一般的には切断の適応となる症例でも、どうにか救肢できる症例を経験するようになりました。

 そこで今回我々は、第38回日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会(2022年4月23-24日、鹿児島市)において、「病変部の除圧に加え圧分散が有効であった糖尿病性潰瘍」について症例報告(ポスター発表)を行い、優秀演題賞をいただくことができました。

 糖尿病患者の足底潰瘍、特に踏み返しのような荷重部では胼胝局面内に潰瘍を形成し、除圧が困難なために治癒が遷延することも少なくありません。本症例では、通勤靴と職場靴の変更とそれらに改良を加えて除圧し、松葉杖を使用して患側の免荷を図りました。また、病変部では局所の圧分散を考慮した結果、約9か月の経過で上皮化に至りました。

 当外来では、フットケア認定師・看護師、二名の理学療法士、義肢装具士が皮膚科外来で共に診療を行っています。診療のコンセプトは、「なぜその病変ができたか?」を考えることです。五人が同じ空間で診療することは、時間的には非効率的ですが、互いの目線を揃え、それぞれの思いを解り合えることに大きなメリットがあります。本症例が、患者の希望通りに切断を回避できたことは、このユニークなシステムがあったからこそだと思っています。

 このような名誉ある賞をいただき、チームの仲間や、様々な形で協力していただいている職員の皆様に感謝致します。これを励みに、これからも皆様のお役に立てる診療をしていきたいと思います。